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 yuki.ms難病法案まとめページ > 難病法案〜解説 > 第3章第1節〜難病法案〜逐条解説
※漢数字については、見やすさを考えて、一部を算用数字に変更しています。


難病の患者に対する医療等に関する法律案

第3章 医療

  

第1節 特定医療費の支給

 (特定医療費の支給)

第5条 都道府県は、支給認定(第7条第1項に規定する支給認定をいう。以下この条及び次条において同じ。)を受けた指定難病(難病のうち、当該難病の患者数が本邦において厚生労働省令で定める人数に達せず、かつ、当該難病の診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていることその他の厚生労働省令で定める要件を満たすものであって、当該難病の患者の置かれている状況からみて当該難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定するものをいう。以下同じ。)の患者が、支給認定の有効期間(第9条に規定する支給認定の有効期間をいう。第7条第4項において同じ。)内において、特定医療(支給認定を受けた指定難病の患者に対し、都道府県知事が指定する医療機関(以下「指定医療機関」という。)が行う医療であって、厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)のうち、同条第3項の規定により定められた指定医療機関から受けるものであって当該支給認定に係る指定難病に係るもの(以下「指定特定医療」という。)を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該支給認定を受けた指定難病の患者又はその保護者(児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第六条に規定する保護者をいう。以下同じ。)に対し、当該指定特定医療に要した費用について、特定医療費を支給する。
はい、この法律(案)の中で、一番ややこしい部分がやってまいりました。

まずは、言葉の定義を見て行きたいと思います。
  • 支給認定=この法律の第7条第1項に書かれています。指定難病(この言葉の定義はのちほど)の患者や、その保護者が、都道府県知事の定める医師(指定医)の診断書(指定難病の患者が指定難病にかかっていることや、その病状の程度を示しているもの)を添えて、支給認定の申請をすることになりますが、支給認定をした患者が、(1)その病状の程度が、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聞いて決める程度であるとき、(2)その療養状況その他の事情を考えて、政令(政府が出す決めごと)に決められた基準に該当するとき、に受けられる認定となります。
  • 指定難病=難病(第1条にあった、「発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾患にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの」)のうち、その難病の日本国内での患者数が、厚生労働省が定める人数(今は、5万人と言われていますが、今後は全人口の1%程度になりそう)に達しなくて、さらに、その難病の診断に関して、客観的な指標による一定の基準が定まっている(血液検査や、画像検査など、各種検査で客観的に見てその病気だとわかる)こと、その他厚生労働大臣が定める要件を満たし、さらに、その難病患者が置かれている状況からみて、その難病患者に対して、良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いてきめるもの。 ・・・つまりは、指定難病とは
    • 難病であること
    • 日本国内での患者数が、厚生労働省が定める人数に達しない
    • 難病の診断に関して、客観的にあきらかな指標による一定の基準が定まっている
    • その他厚生労働大臣が定める要件を満たす
    • 難病患者が置かれている状況からみて、その難病患者に対して、良質かつ適切な医療の確保を図る必要が高いとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて決めるもの
    ということになります。
  • 支給認定の有効期間=この法律の第9条に書かれていますが、厚生労働省令(厚生労働省が決めるもの)で決める期間、となっています。ですので、現段階ではわかりません。
  • 指定医療機関=支給認定を受けた指定難病の患者に対して、都道府県が指定する医療機関
  • 特定医療=上記の支給認定を受けた、指定難病の患者に対して、都道府県知事が指定する指定医療機関が行う医療行為であって、厚生労働省令で決めるもの。
  • 指定特定医療=これが最終的に大きなカギになるキーワードです。この条文の部分の大きなカギになるものです。
    支給認定を受けている、指定難病の患者が、支給認定の有効期間内に、特定医療を、指定医療機関から受けるもので、その支給認定(国や県が費用を負担しますよ、という認定)による、指定難病に関する部分。

 とまぁ、言葉の定義だけでぎっしりなのですが、この言葉たちを整理した上で、(なので、言葉の意味は随時、上の方を見て下さいね)この条文で言いたいことは、
都道府県(この事務に関して、中心的に行うのは、都道府県ということになります)は、支給認定を受けた、指定難病の患者が、支給認定の有効期間内に、特定医療のうち、定められた指定医療機関から受けるもの(治療など)で、その支給認定に関する、指定難病に関するものについて、治療等を受けた場合には、厚生労働省が別に定めるように、支給認定を受けている指定難病の患者又は保護者に対して、その指定特定医療に要した費用について、「特定医療費」を支給する、とされています。
 ですので、この条文からは、「特定医療費」が従来の「特定疾患の公費負担部分」と考えて頂ければ大丈夫です。患者(又は保護者)に対して支給するとされていますが、おそらくは実際の運用のところでは、病院で自己負担の上限額を超えた場合は、その残りの部分について支払わなくていいというかたちになると思われます。
 また、特定医療費の支給認定を受けると、指定難病以外の病気についても、特定医療費というかたちで国や県が公費負担をしてくれるようになる(現在の身体障害者の制度がそうなっています)のかと思いきや、支給認定に関する、指定難病に関するものについて、治療等を受けた場合には、と限定して書かれていますので、残念ながら、従来通り(「特定疾患」同様)の、指定難病以外の病気については、この制度の対象外となっています。
2 特定医療費の額は、一月につき、第一号に掲げる額(当該指定特定医療に食事療養(健康保険法(大正十一年法律第七十号)第六十三条第二項第一号に規定する食事療養をいう。以下この項において同じ。)が含まれるときは、当該額及び第二号に掲げる額の合算額、当該指定特定医療に生活療養(同条第二項第二号に規定する生活療養をいう。以下この項において同じ。)が含まれるときは、当該額及び第三号に掲げる額の合算額)とする。

 一 同一の月に受けた指定特定医療(食事療養及び生活療養を除く。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、当該支給認定を受けた指定難病の患者又はその保護者の家計の負担能力、当該支給認定を受けた指定難病の患者の治療状況、当該支給認定を受けた指定難病の患者又はその保護者と同一の世帯に属する他の支給認定を受けた指定難病の患者及び児童福祉法第十九条の三第三項に規定する医療費支給認定に係る同法第六条の二第一項に規定する小児慢性特定疾病児童等の数その他の事情をしん酌して政令で定める額(当該政令で定める額が当該算定した額の百分の二十(当該支給認定を受けた指定難病の患者が高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第五十条及び第五十一条の規定による後期高齢者医療の被保険者であって、同法第六十七条第一項第一号に掲げる場合に該当する場合その他政令で定める場合にあっては、百分の十)に相当する額を超えるときは、当該相当する額)を控除して得た額

 二 当該指定特定医療(食事療養に限る。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、健康保険法第八十五条第二項に規定する食事療養標準負担額、支給認定を受けた指定難病の患者又はその保護者の所得の状況その他の事情を勘案して厚生労働大臣が定める額を控除した額

 三 当該指定特定医療(生活療養に限る。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、健康保険法第八十五条の二第二項に規定する生活療養標準負担額、支給認定を受けた指定難病の患者又はその保護者の所得の状況その他の事情を勘案して厚生労働大臣が定める額を控除した額
難解な条文の第5条第1項(先ほどのややこしい条文です)に引き続き、こちらも言い回しが法律独特の、ややこしいものになっております。
先ほど、前の条文で都道府県が患者に対して支給するとされた、特定医療費については、1ヶ月ごとの清算になります。1ヶ月につき、後ほど書きます指定特定医療にかかった金額を、また、いわゆる「食事療養費」が含まれる場合には、後ほど書きます指定特定医療にかかった金額と、後ほど書きます「食事療養費」についての金額を、「生活療養費」が含まれる場合には、今までの金額に加えて、これまた後ほど書きます金額を加えた金額となります。

 さて、後ほど書きますと、あちこちで書きましたが、その後ほど書きますを、一つずつ書いて行きたいと思います。

(1)1ヶ月の間に受けた、食事療養費と生活療養費を除く、指定特定医療について、健康保険(国民健康保険とか、社会保険とか、共済組合保健とか)によって計算された金額から、支給認定をうけている指定難病の患者や保護者の家計の負担能力や、治療状況、その他同一世帯の難病の人の状況や、同一世帯の小児慢性特定疾病などを考慮して、政府が金額を決め、また計算した政府が定める金額が、計算した金額の20%(後期高齢者の場合は10%)を超える場合は、その超えた部分の額を引いた金額、となります。
・・・では、わけがわからなさすぎると思いますので、もうすこし分かりやすくしますと、
特定医療費(国や都道府県が支払う金額)=一ヶ月の間に受けた、食事療養費と生活療養費を除く、難病に関して要した医療費のうち、



3 前項に規定する療養に要する費用の額の算定方法の例によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの特定医療に要する費用の額の算定方法は、厚生労働大臣の定めるところによる。  (申請) 第六条 支給認定を受けようとする指定難病の患者又はその保護者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の定める医師(以下「指定医」という。)の診断書(指定難病の患者が指定難病にかかっていること及びその病状の程度を証する書面として厚生労働省令で定めるものをいう。)を添えて、その居住地の都道府県に申請をしなければならない。 2 指定医の指定の手続その他指定医に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。  (支給認定等) 第七条 都道府県は、前条第一項の申請に係る指定難病の患者が、次の各号のいずれかに該当する場合であって特定医療を受ける必要があるときは、支給認定を行うものとする。  一 その病状の程度が厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて定める程度であるとき。  二 その治療状況その他の事情を勘案して政令で定める基準に該当するとき。 2 都道府県は、前条第一項の申請があった場合において、支給認定をしないこととするとき(申請の形式上の要件に適合しない場合として厚生労働省令で定める場合を除く。)は、あらかじめ、次条第一項に規定する指定難病審査会に当該申請に係る指定難病の患者について支給認定をしないことに関し審査を求めなければならない。 3 都道府県は、支給認定をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、指定医療機関の中から、当該支給認定を受けた指定難病の患者が特定医療を受けるものを定めるものとする。 4 都道府県は、支給認定をしたときは、支給認定を受けた指定難病の患者又はその保護者(以下「支給認定患者等」という。)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、支給認定の有効期間、前項の規定により定められた指定医療機関の名称その他の厚生労働省令で定める事項を記載した医療受給者証(以下「医療受給者証」という。)を交付しなければならない。 5 支給認定は、その申請のあった日に遡ってその効力を生ずる。 6 指定特定医療を受けようとする支給認定患者等は、厚生労働省令で定めるところにより、第三項の規定により定められた指定医療機関に医療受給者証を提示して指定特定医療を受けるものとする。ただし、緊急の場合その他やむを得ない事由のある場合については、医療受給者証を提示することを要しない。 7 支給認定を受けた指定難病の患者が第三項の規定により定められた指定医療機関から指定特定医療を受けたとき(当該支給認定患者等が当該指定医療機関に医療受給者証を提示したときに限る。)は、都道府県は、当該支給認定患者等が当該指定医療機関に支払うべき当該指定特定医療に要した費用について、特定医療費として当該支給認定患者等に支給すべき額の限度において、当該支給認定患者等に代わり、当該指定医療機関に支払うことができる。 8 前項の規定による支払があったときは、当該支給認定患者等に対し、特定医療費の支給があったものとみなす。  (指定難病審査会) 第八条 前条第二項の規定による審査を行わせるため、都道府県に、指定難病審査会を置く。 2 指定難病審査会の委員は、指定難病に関し学識経験を有する者(指定医である者に限る。)のうちから、都道府県知事が任命する。 3 委員の任期は、二年とする。 4 この法律に定めるもののほか、指定難病審査会に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。  (支給認定の有効期間) 第九条 支給認定は、厚生労働省令で定める期間(以下この節において「支給認定の有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。  (支給認定の変更) 第十条 支給認定患者等は、現に受けている支給認定に係る第七条第三項の規定により定められた指定医療機関その他の厚生労働省令で定める事項を変更する必要があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県に対し、当該支給認定の変更の申請をすることができる。 2 都道府県は、前項の申請又は職権により、支給認定患者等につき、同項の厚生労働省令で定める事項を変更する必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、支給認定の変更の認定を行うことができる。この場合において、都道府県は、当該支給認定患者等に対し、医療受給者証の提出を求めるものとする。 3 都道府県は、前項の支給認定の変更の認定を行ったときは、医療受給者証に当該変更の認定に係る事項を記載し、これを返還するものとする。  (支給認定の取消し) 第十一条 支給認定を行った都道府県は、次に掲げる場合には、当該支給認定を取り消すことができる。  一 支給認定を受けた患者が、第七条第一項各号のいずれにも該当しなくなったと認めるとき。  二 支給認定患者等が、支給認定の有効期間内に、当該都道府県以外の都道府県の区域内に居住地を有するに至ったと認めるとき。  三 支給認定患者等が、正当な理由がなく、第三十五条第一項又は第三十六条第一項の規定による命令に応じないとき。  四 その他政令で定めるとき。 2 前項の規定により支給認定の取消しを行った都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、当該取消しに係る支給認定患者等に対し、医療受給者証の返還を求めるものとする。  (他の法令による給付との調整) 第十二条 特定医療費の支給は、当該指定難病の患者に対する医療につき、健康保険法の規定による療養の給付その他の法令に基づく給付であって政令で定めるもののうち特定医療費の支給に相当するものを受けることができるときは政令で定める限度において、当該政令で定める給付以外の給付であって国又は地方公共団体の負担において特定医療費の支給に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。  (厚生労働省令への委任) 第十三条 この節に定めるもののほか、特定医療費の支給に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

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