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 yuki.ms難病法案まとめページ > 難病法案〜解説 > 第2章〜難病法案〜逐条解説
※漢数字については、見やすさを考えて、一部を算用数字に変更しています。


難病の患者に対する医療等に関する法律案

第2章 基本方針

第4条 厚生労働大臣は、難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 難病の患者に対する医療等の推進の基本的な方向
 二 難病の患者に対する医療を提供する体制の確保に関する事項
 三 難病の患者に対する医療に関する人材の養成に関する事項
 四 難病に関する調査及び研究に関する事項
 五 難病の患者に対する医療のための医薬品及び医療機器に関する研究開発の推進に関する事項
 六 難病の患者の療養生活の環境整備に関する事項
 七 難病の患者に対する医療等と難病の患者に対する福祉サービスに関する施策、就労の支援に関する施策その他の関連する施策との連携に関する事項
 八 その他難病の患者に対する医療等の推進に関する重要事項
3 厚生労働大臣は、少なくとも五年ごとに基本方針に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。
4 厚生労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。 5 厚生労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 厚生労働大臣は、基本方針の策定のため必要があると認めるときは、医療機関その他の関係者に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。
 国(厚生労働省)は、前に書かれていた、この法律の目的、また基本方針、そして、国や地方公共団体が努力等をしなければならないことなどを実現するために、「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」(…長いですが、「基本方針」と呼ばれます)を決めないと行けないとされています。
 この基本計画は、少なくとも5年に一度は再検討を加えることが必要とされています。また、基本方針の制作や変更などの際に、必要であれば医療機関その他の関係者に対して、資料の提供や、その他の必要な協力を求めることが出来るとされています。そして、基本方針を決め、また基本方針を変更する場合には、関係するほかの国の省庁や機関、地方公共団体と話し合い、また厚生科学審議会(従来の難病対策委員会もここに含まれています。)の意見を聞かないといけないことになっています。こうやって決まった基本方針は、遅滞なく(できるだけ早く)一般に向けて公表しないといけないことになっています。
 また、基本方針の中には、法律(案)の第2項において、次のことがらを含めないといけないとされています。
  • 一 難病の患者に対する医療等の推進の基本的な方向
     難病の患者に対して、前にあった、第3条第2項に書かれているように、どのような医療体制を作って行くのか、またどのようにして、難病の患者が良質かつ適切な医療が受けられるようにするのかの、基本的な方向性を、基本方針の中に盛り込んで行くことになります。
  • 二 難病の患者に対する医療を提供する体制の確保に関する事項
     難病の患者が、第3条第2項に書かれているように、良質かつ適切な医療が受けられるようにするために、医療を提供する体制を確保する必要があります。そのためには、どういう風にしていけばいいのかという方向性を、基本方針の中に盛り込んで行くことになります。
  • 三 難病の患者に対する医療に関する人材の養成に関する事項
     第3条第2項に書かれているように、「難病の患者に対する医療に係る人材の養成及び資質の向上を図る」ために、つまりは難病の患者が受ける医療サービスに関わる方たち(例えば、医師や看護師など)について、人材養成や資質の向上をどのようにして図って行くのか、その方向性を、基本方針の中に盛り込んで行くことになります。
  • 四 難病に関する調査及び研究に関する事項
     第3条第3項に書かれているように、難病に関して、疾患の原因の究明や、疾患の発生のメカニズム、疫学的調査(統計など)、その他、難病の患者にとって役に立つ方向での調査研究などについて、どのようにして国として推進して行くのか、その方向性を、基本方針の中に盛り込んで行くことになります。
  • 五 難病の患者に対する医療のための医薬品及び医療機器に関する研究開発の推進に関する事項
     第3条第3項に書かれているように、難病の患者に対して、医療の中で用いる医薬品や、各種の医療機器について、国として研究が進むように、どのようなことをすれば良いのか、その方向性を基本方針の中に盛り込んで行くことになります。
  • 六 難病の患者の療養生活の環境整備に関する事項
     難病の患者が、医療を受け、そして療養生活が少しでも穏やかなものとなるよう、療養生活環境の整備を行うこととなっています。この法律(案)の中ではめずらしく、難病患者の医療だけでなく、難病患者の生活(療養生活)の環境の整備に触れられている(他の条文は、基本的に難病患者の「医療」について触れられている)部分となっています。
  • 七 難病の患者に対する医療等と難病の患者に対する福祉サービスに関する施策、就労の支援に関する施策その他の関連する施策との連携に関する事項
     難病の患者に対して提供される、「医療」(さんざん上記で述べられて来ましたが)に加えて、難病の患者に対する「福祉サービス」(これがどのようなものになるのかは、現段階では未知数。現在難病130疾患+間接リウマチに対して行われている「障害者総合支援法」レベルでの福祉サービス(難病患者としては使いにくい・・・。)にとどまってしまうのか、それを超えた施策がなされるのか)や、就労の支援(これも、現在ある「難開金」(難治性疾患患者雇用開発助成金…難病のある人を雇った場合に、企業に対して、一定の助成金が国から支払われる)や、ハロワークでの難病患者を対象とした就労相談等にとどまってしまうのか、それとももう一歩踏み出して、難病患者も法定雇用率(企業がその規模に応じて、一定の割合の障害者等を雇わないといけない仕組み)に含んだり、もっと積極的な難病患者支援を行っていくのか)、そして、それらとの施策に対して、関連してくる部分の施策の連携を行って行くことになります。
    この項目については、従来の「特定疾患」(難治性疾患治療克服事業・特定疾患治療研究事業)ではあまり触れられてこなかった部分であることから、注目すべき点だと思われます。
  • 八 その他難病の患者に対する医療等の推進に関する重要事項
     再び、難病患者に対する事柄について、医療等の話に戻って来ました。上記の各号(上記の項目)で挙げられた、必ず基本計画に盛り込まなくてはならない内容のほかに、難病患者の医療等(ここの「等」に、どれだけ医療以外の福祉的側面や、就労支援等が含まれてくるかは、見守る必要がありますが)の推進に関する、重要と思われる事項が含まれてくるかたちとなります。

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